カウンセリングルーム

責任者の公認心理師・窪田佳美です。

カウンセリング希望の場合、初回は院長診察、2回目以降は心理士のカウンセリングとなります(院長の指導付)。

カウンセリングは診療日の毎日実施しており、完全予約制です。

場所は当院敷地内の最奥部左の「心理室」です。(リモートでの在宅カウンセリングも相談可)

「予約、会計」は心理士と直接していただくシステムとなっております。


カウンセリングでどんな事をするのか?以下に順次説明していきます。


①カウンセリング

 

辛い気持ちが癒されるためには、どうしたらいいのでしょう?

辛い気持ちを言葉にして、誰かに聞いてもらうことが必要だといわれます。

 

ただ、この「誰か」というのが案外難しいのです。

 

例えば、おしゃべりな人。

安心して話せませんよね......。

 

正論を唱えて、説得する人。

正解がわかっても、辛さは消えませんよね......。

 

否定したり、説教する人。

話す気すら無くなってしまいますよね......。

 

誰にも聞いてもらえない辛い気持ちは、心の奥底に追いやられ、「病気のもと」になってしまいます。

 

みなさんは、本当の気持ちが話せる安全な場所がありますか?

 

カウンセリングは、自分のありのままの感情を話してもよい場所です。

カウンセラーは、否定したり、説得したりせず、話を聞く人です。

 

もちろん、話を聞くだけではありません。クライエントの疾患に合わせた様々な技法を組み合わせて回復のお手伝いをします。

 

もしも、誰にも話せない辛さを抱えているのなら、カウンセリングに来てみませんか?



「話を聞いてほしいんだ」 カウンセリングについての本



 

②発達障害とカウンセリング

 

なんで、社会は時間に厳しいの?

なんで、社会では集団行動ができないといけないの?

 

発達障害がある人たちにとって、この社会は大変生きにくいものです。

 

しかし、本当に今の社会は正しい場所でしょうか?

時間に厳しくない慣習の地区の生活が破綻しているわけではありません。

仕事はできるのに、人間関係で休職、退職って、よく考えたら変じゃないですか?

今の社会は、多数派の定型発達の人たち(発達障害でない人たち)が作った社会なのです。

 

発達障害の人たちが間違っているわけではありません。劣っているわけではありません。

むしろ発達障害の人たちが素晴らしい能力を持っていることを私は知っています。

ただ、少数派なだけなのです。定型発達の人たちの作った社会に合わない人たちなのです。

 

だからといって、この社会を簡単に変えることはできません。

そこでヒントになるのが、「工夫して生きる」です。

素晴らしい能力を持っていて、「工夫」で生きにくさがなくなったら、みなさんはこの社会にとってかけがえのない人になれるでしょう。

 

「工夫」がなかなか見つけられない方は、ご相談くださいね。

カウンセリングや発達障害ミーティングに来ると、この社会を生き抜く「工夫」が見つかるかもしれませんよ。

 

③AC(アダルトチルドレン)とカウンセリング

 

同じ世界を生きているのに、ある人は生きるのが苦しいと言い、ある人は生きるのは楽しいと言います。

お金やパートナー、社会的地位など、多くのものを持っているのに不幸せと言う人がいて、その一方で、多くのものを持っていないのに幸せだと言う人がいます。

 

不思議ですね。

 

その「違い」の理由を探求していくと、子ども時代の「親との関係」にその原因があることが多いのです。「親との関係」の違いで、こんなに見える景色が変わるのです。

 

「生きづらさ」の答えを探して子ども時代にさかのぼる作業に取り組む人のことを、ACと呼びます。

 

子ども時代にさかのぼる、それが辛い方もたくさんいます。1人で取り組むのが難しい方、カウンセラーと一緒に取り組んでみませんか?

 

「親との関係」の中でできた鎖から自分を解き放ち、カウンセラーの前で「ありのままの自分」「自分がなりたい自分」を表現してみませんか?

 

子ども時代に叶わなかったことは、今から取り組むことができるのです。

 

取り組みが終わったら、見える景色が変わるかもしれませんよ。


※医学用語としては「愛着障害」(ICD10分類ではF94)と呼ばれることがありますが、定まっていないのが現状です(院長より)



 

④トラウマとカウンセリング


トラウマ(心の傷)は、苦しいものです。なぜなら、なかなか「過去のもの」とならないからです。トラウマは、現在の自分にも影響を与え続け、現在の自分を苦しめます。

ではどうすればよいのか?

安全な場所、つまりカウンセリングで、トラウマを言葉にすることです。

悲しい映画も、繰り返し見ると、涙が出なくなります。怖い映画も、繰り返し見ると、冷静に見られるようになります。辛いトラウマの記憶も、繰り返し語ることにより、痛みの少ない記憶になります。トラウマは「過去のもの」となり、痛む心の傷は、乾いた傷跡に変わるのです。

ただ、「トラウマを言葉にする」って辛くて苦しいことですよね。

カウンセラーは、無理強いしませんので安心してください。

「過去を話すこと」「過去を話さないこと」の選択権は、クライエントにあるのです。

過去を話さなくても治るの?

そう思う人も多いかもしれませんね。

私たちは「連続性」の中で生きています。「今日も安全だった。きっと明日も安全だろう。」という「連続性」のおかげで、安心して生活できるのです。

トラウマは、この「連続性」を断ち切ってしまいます。「きっと明日も安全......。」そう思えなくなってしまうのです。

カウンセラーとクライエントの関係は、「壊れることのない連続性」です。「今日もカウンセラーが受け止めてくれた。きっと次回も受け止めてくれるだろう。」という「連続性」は、トラウマを抱える方の未来を生きる力になるでしょう。

トラウマ治療は、自分でやるのは危険です。専門家であるカウンセラーと一緒に取り組みましょう。


「さようなら、わたしを傷つけた人」 トラウマ(人間関係)についての本




⑤認知行動療法、傾聴受容


「自分はどうしてこんなに生きにくいんだろう・・・」

「どうして不器用にしか生きられないんだろう・・・」

「秘密厳守でゆっくり話を聴いてもらいたい・・・」

 

長年染み付いた考え方の「くせ」や傾向は、そう簡単には変わりません。

しかし、それが原因で「生きにくい・・・」と感じている方は沢山おられます。

これは薬で解決するものではありません。

経験豊富なカウンセラーと客観視する癖をつけ、もし誤った考え方や物の捉え方をしているのであれば、その「認知」を矯正し実際の「行動」を変えていくことで随分と「生きやすくなる」と思います。

性格は変えられなくても行動は変えられます。

カウンセリングは基本的には、あらゆる疾患に対応できます。

答えはクライアントの数だけあります。

歯の矯正を歯科医に委ねるように、メンタルの矯正もその道の専門家に相談してみてはいかがでしょう?(当院カウンセラーは全員公認心理師の国家資格保有者です)。

誰にも言えない悩みを、ゆっくり話を聴いてもらいたいという要望でも可能です。

 


(主に扱う事例)

アダルトチルドレン

ADHD

ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)

社交不安障害(あがり症)

強迫性障害

認知の歪み

トラウマ




 (カウンセリングの終了について)

カウンセリングを続ける、終了する、その権利はクライエントのみなさんにあります。


 気持ちが落ち着いてきた、何らかの事情で継続が難しい、カウンセリングが合わなかった、そのような理由でカウンセリングを終了したい場合は、カウンセラーにお伝えくださいね。


カウンセラーが引き止めることはありませんので、ご安心ください。

また、カウンセラーから、カウンセリングの終了を提案することも、基本ありません。

ただ、ルール違反、迷惑行為、危険行為があった場合は、カウンセリングルームの判断でカウンセリングが終了になることがあります。ご了承ください。




(デビッド・D・バーンズの認知の歪み)

①全か無か思考

価値観が白か黒かしかない。「99点だったけど100点じゃないと0点と一緒だ」→他は出来ているからOK

②過度な一般化

一つの失敗で全てダメと決め付ける。「30点か・・・他の教科も全部悪い点数に違いない」

③心のフィルター

物事の悪い側面だけを見てしまう。「60点か・・・40点も間違えるなんて自分は馬鹿だ」

④拡大解釈、過小評価

自分の失敗は過大に、成功は過小に評価してしまう。

⑤~すべき思考

「こうあるべき」という固定観念に囚われ窮屈である。

⑥マイナス化思考

成功は「まぐれ」と思い、失敗は「やっぱり自分は失敗するんだ」と考えてしまう。「今回100点だったけどマグレだ。自分は馬鹿」

⑦結論の飛躍

心の読みすぎ・・人の言動からネガティブな事を推測する。友人がただ急いでいて対応が淡白だったことを「自分は嫌われている」と考える。

先読みの誤り・・物事を悪い結果に推測する。風邪なのに「この病は不治の病で治らない」と考える

⑧感情的決め付け

こんなに緊張するから失敗するに決まっていると考える。「30点しかとれないなんてムカつく、こんなテストどうでもいい」

⑨レッテル貼り

過度な一般化が強まり些細なミスから「何もできないダメ人間」とレッテルを貼る

⑩個人化

自分に責任がないことでも自分のせいかもと考えてしまう



(コッホのコラム法) 

①ネガティブな出来事を書く・・・会社でミスをしてしまった。上司から叱責され帰宅してから気が重い。

②瞬間的に感じる考え・・・ミスをする自分はダメだ、明日もミスするかも、一度ミスしたら取り戻せない

③その時の気持ち、感情(%)・・・悲しい30%、怖い40%、不安70%、疑い60%

④別の考え方ができないか検証・・・ミスは誰にでもある、明日は大丈夫かも、失敗は成功のもとだ

⑤今の気持ち、感情(%)・・・悲しい10%、怖い10%、不安30%、疑い20%




(リフレーミング技法)

口下手→聞き上手な面もある。

消極的→慎重に行動できる。

性格が暗い→落ち着いて見える。

頑固→芯が強い、ブレない

心配性→よく考えてから行動する。

人に流されやすい→人の話を聞ける人。協調性がある

残業が無くなり残業代が出なくなった→その分自分の時間が増えた。過労死しないで済む。

一生懸命勉強した資格試験に落ちてしまった→身につけた知識は役に立つ。持続して取り組めたことを評価



(暴露反応妨害法)


①暴露・・・これまで恐れていた避けていた状況にあえて向き合う。そして恐れていたような悪いことは起きないと学習する。コツは少しずつ負荷を強くしていく。その為に下記の「不安階層表」を作成し弱い不安から暴露していく。


(例)不潔だと思うドアノブにあえて触ってみる。


②反応妨害・・・これまで不安や不快感を打ち消すために行ってきた強迫行為をできるだけしない。そして強迫行為をしなくても、そこまで何も起きないという事実を確認し、不安や苦痛が次第に減っていく事を体験する。これを馴化という。


(例)不潔と思うドアノブに触っても、強迫行為としての手洗いをできるだけ行わない。手洗いをしなくても何も起きないし、次第にそれに慣れていく。



(不安階層表)

自分にとって最も苦痛なものを100とし目標設定し、暴露反応妨害法を行う

100・・・駅のトイレを使う

80・・・自宅トイレを使用後、手洗いは1分迄にする

50・・・自宅トイレを使用後、手洗いは3分迄にする

30・・・自宅トイレのドアノブを素手で触る

10・・・自宅トイレのドアノブを手袋一枚で触る